タイガースを好きになった日

田淵幸一

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変わり者なのだろう。

タイガースのことをブログで書こうと決め、改めて「自分はいつ阪神タイガースのファンになったのだろう?」と想いおこすと、やっぱりあのときだった。

親父の田舎に里帰りしたとき、親戚中が集まって野球中継を観ていた。

とにかく自分が子供の頃はプロ野球といえばジャイアンツこそが正義。

山梨のいなかで放映されているのは当然ジャイアンツ戦だった。親戚のおじちゃんや、いとこのお兄ちゃんは、ヤンヤヤンヤとテレビに映る王や張本を応援していたのを覚えている。

もちろんそこには、ジャイアンツこそがプロ野球の中心、ジャイアンツが勝つのは当たり前という空気が流れていた。

イヤだった。大人達の「今日のジャイアンツはどうやって勝つんだ~」という相手を見下している雰囲気がイヤだった。

そしていつの間にか相手チームを応援していた。野球のルールなんて知らない。もちろん、プロ野球という興行において、お気に入りのチームを応援する楽しみなんて知らなかったはず。

ただ子供ごころに、「そんな強いチームに勝てるなら、もっと凄いチームのはずだ!」と、単純にそう思って相手チームが勝つことを望んでいたんだろう。



 
で、その日、ジャイアンツは負けた、勝つことが当たり前のジャイアンツが。

親戚中がガッカリしてるなか、“あの” チームを負かしたチームがカッコ良く見えた。輝いて見えた。

そのあとすぐ、親父に「僕は今日からこのチームを応援するよ」と宣言したのも覚えている。

絶対負けないはずのチームに勝ったチーム。

もしあの日、対戦していたのが違うチームだったら・・・
もしあの日、ジャイアンツが勝っていたら・・・

でも、あの日、ブラウン管のなかで喜んでいたのは、田淵、ラインバック、ブリーデン、そして掛布だった。

山梨のいなかから帰省して、タイガースの帽子を買ってもらったのは地元 “横浜”にある小さなスポーツ店。

 

「なんで関西じゃないのに阪神が好きなの?」

これまでの人生で何度も質問された。

わたしは変わり者なのだろう。