プロの世界に負けてもいい試合などないけれど、もしあるとすればきのうのような試合ですね。
きのうは藤浪が、やっと一歩、いや半歩、その歩みを進めたことを実感できる試合になりました。
1回は快調な滑り出し。ホッと胸をなで下ろしたのも束の間、2回に3連打で1点取られ、なおもつづく中村にストレートのフォアボールで満塁。(敬遠気味?ストライク入らない?)
あの瞬間、タイガースファンの誰もが感じた “予感” 、いや覚悟。
でも、きのうの藤浪は違いました。
ブキャナンのピッチャーゴロ併殺のあと山田を空振り三振で切り抜けるという。
で、なんだかんだでその後は「完璧なピッチング」と言ってもいいほどの内容。
もちろん、もっとポテンシャルはあるとは思いますが、とりあえずきのうは久しぶりに見ていて気持ちいい、そして頼もしい藤浪でした。
あれ、ブキャナンのゲッツーが良かったですね。
ピッチャーゴロを捕ってるのに(グラブに収まったのに)打球を見失って「上かっ!」て、見上げたときにグラブの網に入ってた場面。
その後ボールの感触に気付いて、落ち着いてホームゲッツーにできた。(キャッチャーへのショートスローも良かった)
で、あの後ロサリオがボール返すときにちょっとお茶目に笑ったから、つられて照れながら笑っちゃってました。
あれで、肩の力がスーって抜けたんじゃないかな。
他の選手じゃあの場面で藤浪に笑いかけられませんよね。ロサリオ、ナイスフォロー!
あと、6回の川端をゲッツーにした瞬間にグラブを叩いて「シャー!」って吠えてたシーン。
ああいう場面でも、最近はあまり感情を表に出してなかった。
あれ、自分のピッチングに自信が持てているからこそ出る感情だと思う。自分のピッチングが不甲斐ないと思ってたら出ませんよ、雄叫び。
ヤマヤスみたいにマウンドで弓を引くようなポーズも良かったのかな。
ストライクを取りにいこうとするときに出る、上体が突っ込んでしまうクセを修正するためのポーズだとか。練習時にはいつもやっていたみたいですね。
あと、打順の巡りで7回で降板できたのも良かった。あれで、もし8回に何かあったら・・・
登板を終えた藤浪は、きっと次も早く投げたいと思っていることでしょう。
昨年からずっと、次回登板が憂鬱に感じていたはずなので、登板後の気分が全然違うんじゃないかな。(勝手に・・)
勝ちは付きませんでしたが、確実に前に進んだような気はします。
きのうのピッチングが、前回登板したときに書いた「ちょっとしたきっかけ」になるといいな。まぁ、復活とかそんな大したものではなく、新しい藤浪になるためにちょっと前進したような感じ。