【6月7日バッファローズ戦】みんなの好きな鳥谷が戻ってきた

180607鳥谷1

◇当ブログは一部でプロモーションを含みますが、メーカーから商品を受け取り、PRを依頼されてはいません

金本監督は賭けに負けた?

日本人の中で富士山が嫌いという人は希だと思う。

日本人にとって富士山は、イヤな思い出でもない限り、好き嫌いという感情の外にあるような絶対的な存在と言えるのではないだろうか。

とくに、日常生活で富士山が見えるところに住んでいる人にとっては、「常にあの場所に佇んでいる富士山」の存在はやはり特別のはず。

絶対的な存在を欠いてきた今シーズンのタイガースは、やはりチームの歯車はまったく噛み合っていない。

これまで「なんとか勝率5割前後で、2位,3位辺りをウロウロしている」という現状は、むしろ望外の成績とも言えます。

そしてきのうは、“ついに” というか、“シレっと”、「サード鳥谷」というパンドラの箱を開けましたね(笑)

雨天中止の前日に、すでに情報が漏れていたので心の準備はできましたが、いきなりこれを聞いたらもう失神レベル。

要するにこれ、金本監督が自分の判断が間違っていたことを認めしまったということですよね?

外国人野手をロサリオしか獲得せず、そのロサリオと心中することを覚悟したのは、金本監督というよりもフロントの賭け。

その賭けも今のところは怪しい空気が漂っていますが、大きく成長すると判断した大山をサードに固定して、鳥谷を再度コンバートさせたのは確実に金本監督の賭け。

この賭けに負けたと。

もちろん、まだシーズンは続くので、シーズンが終わってみなければ本当の賭けの結果は分かりません。

ロサリオも大山も、ここから挽回して、「賭けに勝った」といえる結果を残すかもしれない。(個人的にも、ロサリオと大山には、まだまだ全然期待しています)

でも、少なくとも、「大山の成績がどんなに悪くても将来のために我慢する覚悟」をしていたにもかかわらず、我慢できずに鳥谷をサードに戻したのは事実です。

そしてきのう、タイガースファンが「サードで守る鳥谷」を複雑な気持ちで見つめていていたのもまた事実。

当然、金本監督は、今のチームの現状を鳥谷と十分に話し合ったでしょう。連続試合の記録が切れてからの本人の現状とともに。

だから、「シレっと」ではなく断腸の思いで “サード鳥谷” の決断をしたはず(顔色も極端に悪かった)ですが、試合後のコメントを聞くと、どうも「これも想定内でしたから」的なニュアンスを感じる。

まぁ、手の内を探られないためのポーカーフェイスは監督として大事な資質なので、むしろ頼もくもあるんですが、一言くらいはあってもいいかな・・・。



サード鳥谷のオプション発動でむしろスッキリ

とりあえず「サード鳥谷」のオプションを復活させたわけですが、これで内野のポジション争いのメンバーがそれぞれ明確になった。

まずは、サードとファーストを、鳥谷、大山、陽川で競わせる。左右病もあるので、そのときの状態で「サード鳥谷」「サード大山」「ファースト大山」「ファースト陽川」を使い分けるという感じ。

大山は、鳥谷がサードに戻ることによって、変な重圧がなくなるし。鳥谷や陽川だって、4打席あれば調子も上げやすい。ここにうまくロサリオが絡んでくれれば、といったところですね。

セカンドとショートは糸原、植田、北條、(板山、熊谷)で競わせる。

「セカンド糸原」「セカンド植田」「セカンド北條」、「ショート植田」「ショート北條」「ショート糸原」を、そのときの状態次第で使い分ける。

ただし、さすがに糸原は、現状でセカンドのレギュラーといっていいレベルだから、できればセカンドで固定して、来シーズン(今シーズン後半?)の上本待ち。

で、ショートを植田と北條の2人で競わせるというのが理想ですね。

鳥谷がセカンドにいることによって(サードに戻せないことによって)複雑になってしまっていた内野のポジション争いがスッキリしたのは朗報。

むしろ、いろんな意味で仕切り直しができて良かった。

みんなやっぱり鳥さんが好き

180607鳥谷2

ということで、また今日からマイナーチェンジしたタイガースの戦いが、改めて始まると言っていいでしょう。

たしかに、連続試合出場記録を更新しているときは、鳥谷に心ない言葉を浴びせていたファンもいました。

もちろん、自分もまったく批判していなかったわけではありません。

でも、記録が途絶えたことによって、逆に、素直に鳥谷のことを応援できるようになったというファンは多いですよね。

記録更新中は、「代打、鳥谷」のコールが球場に流れると、毎回なんとも言えない歓声とともに微妙な雰囲気になっていた。

でも今は、誰もが純粋に「鳥谷~!」と声を送っている。

あの、フェイスマスクを着けて代打で出てきた日のような歓声が甲子園に響く。

いつもそこに居続けてくれた人、必ず毎日顔を出してくれた人を、見られない日もあるという現実が余計に心を熱くする。当たり前だったあの光景の有り難みをファンはいま、噛みしめているんです。

きのうの鳥谷のお立ち台、ヒーローインタビューを見て、笑顔がこぼれなかったタイガースファンなんているのかな?

いや、あの姿を見て泣いてしまったという人を除いては、全員が笑顔だったはず。

いまの阪神タイガースにとって、やはり “鳥谷敬” という選手の存在は特別なものなのだと改めて感じた夜でした。

タイガースファンにとって鳥谷の存在は、日本人にとっての富士山なんですよね。